国立大学法人山口大学における障害を理由とする差別の解消の推進に関する規則における医学部附属病院の留意事項
別紙(規則第6条及び第7条関係)
国立大学法人山口大学における障害を理由とする差別の解消の推進に関する規則(以下「規則」という。)第6条及び第7条に定める医学部附属病院の留意事項は,以下のとおりとする。
規則第3条第1項及び第2項のとおり,不当な差別的取扱いに相当するか否かについては,個別の事案ごとに判断されることとなるが,不当な差別的取扱いに当たり得る具体的な事例は,次のとおりである。
なお,次に示す具体的な事例については,正当な理由が存在しないことを前提とし,また,次に掲げる具体例以外でも不当な差別的取扱いに該当するものがあることに留意すること。
- 人的体制,設備体制が整っており,対応可能であるにもかかわらず,診療,入退院,調剤等を拒否すること。
- 身体障害者補助犬を同伴することを拒否すること。
- 書面の交付,資料の送付,パンフレットの提供等を拒むこと。
- 正当な理由なく,行事,説明会,シンポジウム等への出席を拒むこと。
- 正当な理由なく,診察などを後回しにすること,サービス提供時間を限定すること。
- 正当な理由なく,診察室や病室の制限を行うこと。
- 医療の提供に際して必要な情報提供を行わないこと。
- 正当な理由なく,保護者や介助者の同伴を診察・治療・調剤等の条件とすること。
- 正当な理由なく,本人(本人の意思を確認することが困難な場合は家族等)の意思に反した医療の提供を行うこと。
合理的配慮は,障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物のバリアフリー化,必要な人材の配置,情報アクセシビリティの向上等の環境の整備を基礎として,個々の障害者に対して,その状況に応じて個別に実施される措置である。その内容は,規則第3条第3項及び第4項のとおり,障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的状況等に応じて異なり,多様かつ個別性が高いものであり,当該障害者が現に置かれている状況を踏まえ,社会的障壁の除去のための手段及び方法について,必要かつ合理的な範囲で,柔軟に対応する必要があるが,具体的な事例は,次のとおりである。
なお,次に示す具体的な事例については,過重な負担が存在しないことを前提とし,また,厚生労働省から公表される医療関係事業者向けガイドラインに示されているとおり,障害特性に応じた配慮など次に掲げる具体的な事例以外にも合理的配慮は多数存在することに留意すること。
- 段差がある場合に,車椅子利用者にキャスター上げ等の補助をする,携帯スロープを渡すなどすること。
- 配架棚の高い所に置かれたパンフレット等を取って渡すこと。
- 目的の場所までの案内の際に,障害者の歩行速度に合わせた速度で歩いたり,左右・前後・距離の位置取りについて,障害者の希望を聞いたりすること。
- 障害の特性により,頻回に離席の必要がある場合に,会場の座席位置を扉付近にすること。
- 疲労を感じやすい障害者から別室での休憩の申し出があった際,別室の確保が困難であったことから,当該障害者に事情を説明し,窓口の近くに長椅子を移動させて臨時の休憩スペースを設けること。
- 不随意運動等により書類等を押さえることが難しい障害者に対し,職員が書類を押さえたり,バインダー等の固定器具を提供したりすること。
- 筆談,読み上げなどのコミュニケーション手段を用いること。
- 意思疎通が不得意な障害者に対し,絵カード等を活用して意思を確認すること。
- 駐車場などで通常,口頭で行う案内を,紙にメモをして渡すこと。
- 書類記入の依頼時に,記入方法等を本人の目の前で示したり,わかりやすい記述で伝達したりすること。
- 比喩表現等が苦手な障害者に対し,比喩や暗喩,二重否定表現などを用いずに説明すること。
- 知的障害者から申し出があった際に,ゆっくり,丁寧に,繰り返し説明し,内容が理解されたことを確認しながら応対すること。また,なじみのない外来語はさける,漢数字は用いない,時刻は24時間表記ではなく午前・午後で表記するなどの配慮を念頭に置いたメモを,必要に応じて適時に渡すこと。
- 順番を待つことが苦手な障害者に対し,周囲の者の理解を得た上で,手続き順を入れ替えること。
- 立って列に並んで順番を待っている揚合に,周囲の者の理解を得た上で,当該障害者の順番が来るまで別室や席を用意すること。
- 病院の敷地内において,車両乗降場所を施設出入り口に近い場所へ変更すること。
- 他人との接触,多人数の中にいることによる緊張により,不随意の発声等がある揚合,当該障害者に説明の上,施設の状況に応じて別室を準備すること。